中国のコロナウイルス対応

今回は中国のコロナウイルス対応に関して話をしようと思います。

今回は中国のコロナウイルス対応に関して話をしようと思います。 今最初の感染者が見つかってからだいたい三か月ほどとなりますが、やっと収束してきたという感じです。

【結論】

私の印象としては、初動の情報公開は遅れたものの、中国のコロナウイルス対応はかなりしっかりしています。

具体的にどういう対応が行われているかというと:

  • 電車や公共施設では体温検査、電話番号等の登録
  • リアルタイムの感染者数発表
  • 地図アプリ上に住宅地域ごとに感染者の有無を表示
  • 映画館や商業施設の閉鎖
  • 武漢の完全封鎖
  • 10日で1000ベッドの病院を建設
  • 政府がマスク関係の会社・販売を統制

だいたいこのような感じです。

【概要】

初動は遅れたものの、その後の政府の対応は迅速です。

情報の隠ぺい等言われていますが、SNSの発達した現在では情報封鎖など不可能です。 AIによるネット検閲が実用化すればその限りではありませんが。

地図アプリと感染者情報の連携やリアルタイムの感染者数・死者数発表等もあり、 統計データが正しい保証はありませんが、政府の対応の私個人の印象は悪くありません。 他には高鉄(中国の新幹線)の感染者がどのの車両に乗っていたか等の情報も発表されています。 逆に日本のほうがプライバシーの問題等で情報公開がしにくいという点はあると思います。

中国はキャッシュレス社会、携帯電話社会です。 地下鉄に乗る時も深センではQRコードでお金を払います。そのため誰がどこの駅にいたか等をトラッキングできます。 また、電車の車両にも二次元コードが貼ってあって、自主的に自分の乗った車両を報告できます。

このようにIT技術がコロナウイルス対策にも応用されている事が見て取れます。

【詳細】

これからもう少し個別の情報に対して詳細を話していこうと思います。

初動は情報が遅れた

私が最初にコロナウイルスに関して知ったのは日本のニュースによってです。 その頃は私の周りでは特にウイルスのことは話題になっていませんでした。 それからマスクや消毒液が店頭から消えたのは一月にはいってから、最初の感染者が出てからおよそ一か月後の事です。

武漢のある医師の方が病院でSARSににた患者が複数いるとSNSグループで発表したところ、 警察にデマを流さないようにと警告され、サインを求められたそうです。 実際に大量の感染者が確認されてから彼は英雄と呼ばれましたが、コロナウイルスで亡くなっています。

電車や公共施設では体温検査、電話番号等の登録

公園やスーパーに入るときは常に体温検査をします。 また、時には携帯でQRコードをスキャンして氏名・電話番号を登録する場合もあります。 中国の住宅地は防犯のために小区と呼ばれる柵に囲まれた区域に区切られています。 ここに入る時も現在は通行証というものが必要で、外部の人間が入ることを基本的に禁止しています。 宅配便等も小区の門までしか届けられなくなっています。

リアルタイムの感染者数発表、住宅地域ごとに感染者の有無を地図上に表示

百度(中国における主要検索エンジン)では各地域ごとの感染者数・死者数の推移確認できます。 これは毎日更新されます。 中国の各市町村ごとの情報も見れますし、海外の国ごとの情報が見れます。 もっと細かいところで、住宅区域にあたる小区ごとにどこで感染者がでたか確認することもできます。 この辺りは日本ではプライバシーの問題で発表しにくいと思います。

余談ですが私は以前TwitterAPIとGoogleMapを使って地図上に公開ツイートを表示するWebアプリを作ったことがあります。 誰がいつどこで何をしたか見えてしまうので、ネット社会は色々と気を付ける必要があります。

映画館や商業施設の閉鎖

飲食店やショッピングモールは春節休みからずっと閉鎖されていて、 深センでは最近やっと通常通りに営業を始めるところが増えてきています。 映画館はまだ政府の営業許可が出ておらず、開業してしまったところはすぐに閉鎖するよう通知が出ています。 このあたりは日本だと自主規制というようなことになると思いますが、 中国では政府主導のルールにしたがって開業・閉鎖の判断が行われています。

武漢の完全封鎖

武漢の封鎖については多くの人が知っている事でしょう。 二か月程封鎖されていたわけですが、4月の初旬に解放される予定だそうです。 封鎖に関しては賛否両論あると思います。 なぜ封鎖をされたかというと、春節という時期は中国人が一斉に満員電車で移動する時期です。 海外に旅行する人も大量にいます。 こういう大移動が行われてしまうと中国全体に感染が広がってしまいます。

封鎖の賛否はおいておいて、日本ではこういうことはまずできません。 現実問題として、コロナウイルスは大きな問題ですが、中国では今休業により働けなくて困っている人もたくさんいます。 日本では信じられませんが、お金がないと生きていけない国というのはたくさんあるわけです。 世界中のコロナウイルスの蔓延、株価の下落等みて封鎖の是非を考えてみても良いかと思います。

10日で1000ベッドの病院を建設

今年の一月武漢では火山神病院、雷山神病院という病院を10日間で建設しました。 検索したら画像が出てくると思いますが、結構しっかりした施設です。 中国にいると日本では感じられないスピード感を見ることができます。

政府がマスク関係の会社・販売を統制

今日本でもマスクが手に入らないという状態になっていますが、中国では一月からすでにマスクが手に入りにくい状態となっています。 タオバオ(中国最大手オンラインモール)などでは明確にマスクの高額販売を禁止しています。 また武漢の病院に優先的に回すために政府がマスク生産販売を統制し、一時期はネットショップからもマスクが消えました。

他にはマスクがない人のために深セン政府が申請者に対しマスクを順番に配布するというようなこともやっていました。 最近ではすでにマスクは比較的手に入りやすくなっています。

【まとめ】

今回のコロナウイルス対策には地図アプリでの感染者発表や地下鉄乗客のトラッキング等IT技術が利用されています。

対策の初動は遅れたものの、武漢において10日で病院を建設する等、スピード感は非常に高いです。

今回はこれぐらいで終わりにします。 それではまた。

TOMO (ながさか ともひろ)
人工知能、システム開発

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